Let me beam your waifu up!

二次元キャラクターを移住させる方法……みたいな内容です、たぶん

顔をPVCフィギュア的な造型にすることで生まれる利益

私がご提案いたしますのは、立体として正しい、萌え顔の造型です。

 

我々オタク系モデラーが目指す次のベクトルとして、萌えテイストを限りなく無理のない造型で3D化するという使命があります。

私が思うに、最初の着地点は、PVCフィギュア原型とデジタルアバターの折衷といった辺りです。ドール的な顔立ち、とも言えるでしょうか。

ドールというのは、一般的な1/7サイズのPVCフィギュアよりも大きめな、布製の衣装を着せて愛でることを主眼にした人形です。関節には球体関節が嵌まっており、可動フィギュアほどではないにしろ、動かすことができます。いわゆるフランス人形の類いですね。

 

ドールはカスタマイズの方向性で発展しているようです。メーカー側はオーナー毎に違う個性を持たせようとしており、パーツに多様性を設けた商品展開をみることができます。同じメーカーの同じブランドでも多数のオプションがあるのです。

 

ところで、無理なく3D化した萌え顔にはよいことがあります。ひとつ目は、リアルな環境光でも遜色なくレンダリングできるだろうということです。流行のCycleレンダーでは、デジタルアバターがPVCフィギュアか、さもなくばドールっぽく再現されます。テクスチャーを極めていけば、なかなか面白い表現になりそうです。

 

二つ目は、PVCフィギュアの立体物として転用がしやすいのではないか、ということです。目の処理以外では。

 

目に関して、デジタルアバターの世界でもいろんな再現方法がありますね。「窪みの白目に浮かぶ瞳」は代表的な手法だと思います。これが現実世界になると、PVCフィギュアの世界ではタンポ印刷でした。30cm前後(1/6サイズ)の関係から手頃な処理ということなのかもしれません。

 

プラモデルの世界では、多色成形がタンポ印刷に取って代わる様子を見ることができます。

 

古典的な錯覚トリックに「すり鉢状の白目」というものがあります。どの角度からでも見つめてくる瞳がそれです。デジタルの世界でも、この原理を応用することがあります。固定ポーズのアバターに使うと、カメラをどのアングルに向けてもこちらを見てくる不思議なキャラクターになります。カメラを追尾する視線といった仕組みが使えない場合には有用です。

同じ原理はPVCフィギュアにおいても活用されています。

 

ドールの分野でもこの「追視アイ」は応用されています。すり鉢状の眼球は透明な眼球の底(まさに眼底の位置)に相当し、透明な樹脂製の「角膜」がドーム状の被い(つまり半球体の薄い凸レンズ)として存在することで、ぱっと見の不自然さも軽減されています。このようなシステムにおいては、デジタルアバターをフィギュア原型に転用する=変換することも比較的容易になるのではないかと想像します。

 

リアルで通用する三次元的な造型をしていくことは、相応の可搬性(portability)を生むことだと言えます。